『かあさん、ごめん。』
生ゴミを包むため拡げた新聞紙の書籍広告の本の題名だ。
50代独身男、認知症の母を介護するという副題が付けられていて、
なんだ俺の事じゃないかと気を取られた。
一瞬Amazonで買おうかと思ったがやめた。
介護なんて人それぞれ、世界にたった一つの親子関係の中で解決していく問題だ。
下の世話なんか別にどうという事はない。要は慣れの問題だ。
もちろん、何度言っても理解できない母にイライラして物に八つ当たりしたこともある。
夜中に何度も何度も起きて徘徊センサーがなって起こされる時など。
確かにそうした時は心の中で「かあさん、ごめん」と言っている。
しかし、その100倍以上は「おかあさん、ありがとう。」と言っている。
両足で立ってくれてありがとう。鼻歌を歌ってくれてありがとう。
お茶を飲むとき小鳥のように飲んで微笑ませてくれてありがとう。
ちゃんとおしっこが出てくれてありがとう。うんちが出てくれてありがとう。
ご飯を食べてくれてありがとう。
毎日車で買い物に一緒に行ってくれてありがとう。
寝てくれてありがとう。
生きていてくれてありがとう。テレビを見て笑ってくれてありがとう。
話してくれてありがとう。
認知症になると子供に還ると言うけど確かに実感として小さい子供を育てている感じ。
きっと、前世でも強いつながりがあったのだろう。買い物に行くドライブ中に
Jポップをカーナビでかけてるけど殆ど恋愛ソングなんだけど、もちろん恋愛感情はないけど(笑)、
大切にしたいっていう思いは一緒、ひょっとしてこの母親と前世は恋人だったのかな?
なんて気がする時もある。
今世では母子、前世では夫婦、そのまた前世では親友なんてこともあったかも。
飯田史彦氏の『生きがいの創造』にそんな事が書かれていたっけ。
人生は経験、色んな思いをして何を感じ魂に刻むのか。人それぞれ違う。
人それぞれの幸せも、また。
今年の1月から全身けいれんのてんかん発作が出始めた母親。6年前、4年前、2年前と心原性脳梗塞を繰り返し、最後の右前頭葉の脳こうそくの1年後にてんかんが出始めた。
仕方がない事だがてんかんを抑えるデバケンが処方された。それまではお寺と神社に付き添ってお参りに歩けていたが歩く気力もなくなり体重も1年で10キロ増えた。認知症も進行し、徘徊センサーをベッド下に設置しトイレ誘導が必要になったので来られるお客様には施術を中断したり予約をお断りしたり、出張が出来ないなどで大変ご迷惑をおかけしています。
そんなわけでほぼ付きりで母を観察している状態です。尿路感染を繰り返し、2週間前にはトイレで動けなくなり圧迫骨折で入院しました。しかし、生きている体はすごいものです。毎日見ていると、一生懸命治そうと生命力が頑張っています。
肉体の中の燃焼力やエゴ(精神活動)がどんどん弱くなってくると何かキラキラした感じのものが肉体の奥に感じられます。いのちの輝きと表現したくなる何かが。荒れ狂う波が静まって穏やかになった海の底に何かが見えそうな感じ。
それが何かはわかりませんし、人間の体は神秘です。わからない事だらけです。
分かっていることはただ一つ、我々は大いなるものに生かされている存在であること。
(体のいのちの声を聴く事。)
自分の整体をする上でも、これだけは肝に銘じて行きたいです。
今日は日曜日、母親をデイサービスに見送ってから先日からご予約いただいている市内の病院長の奥様の整体に出かけました。この山奥から1時間以上かかるのでお断りしたかったのですが何とか見て欲しいとの事で家を空けられる日曜日ならという事でお受けしました。
しかし、病院に整体に行くというのはなんか緊張しますね。(笑)病院に着くと当然病院は閉まっていますのでお隣のご自宅に・・・いや~さすがに豪邸です(汗)
で玄関に入るとなんと3人がお出迎え。70代位の女性二人と60~70代の男性がお一人・・・(ひょっとして男性の方は病院長?)とかなりビビる私。話しているうちに院長夫人とその姉、院長夫人のいとこの男性とわかりホットしました。今日のメインは院長夫人だが後のお二人も見て欲しいとの事でした。
院長夫人はとにかく首が前に引っ張られて辛いとの事で表情もとてもお辛そうでした。整形外科に通っているが全然良くならず数日後に国病でMRIの検査を受けられるとの事。
見て行くととにかく猫背が強い。背中が前湾して首が前に突き出して後頭骨と頸椎1番が噛んでいる状態です。そして側弯症もあります。その証拠に坐骨の左側が高い。でこの姿勢を作り出した元が趣味の刺繍ではないかと推測。ご本人はそれほどではないとおっしゃってますがかなり没頭されてきたはず。左手前腕のねじれがとても強いです。連動して左足の内旋ねじれも強いです。
原因がわかれば後はそのねじれを戻し、脊柱の生理的湾曲を作ればいいだけ。上部胸椎を良い形にすると今度はお腹を突き出す格好に・・・(なかなか1回でというのは難しいですね。)上部頸椎と下部腰椎のつまりを解放し姿勢を作る。
頭が大きくなって頭蓋内にストレスがたまっている感じ。脳せき髄液を下方に流す手技を行い、首の可動域を改善させる手技を行う。また胃が右腸骨付近に下がっているので長尾ヒーリングの言霊療法で上部に上げる。
次に奥様のいとこの男性、階段を掃除して上がって行くと腰がとても痛いとの事。体を動かしての検査では腰痛なし。でうつ伏せになってもらうと肩甲骨が左右で全く形が違う。「何かスポーツされてましたか?」と聞くと剣道を何十年もされ、特に左手の片手面を磨き上げて来られたそう。10キロの鉄の棒を振って古タイヤを叩いて鍛えていたので近所では有名人だったそうです(汗)江戸時代ならおそらく一角の剣客であられたでしょう(笑)
そりゃ、背中の形も変わりますよねという事で肩甲骨を修正、家の階段でいつものような痛みが出るか試してもらうもあっさりと痛みが消えていました。
で先ほどの奥様のお具合をお聞きすると「とっても楽になりました。」との事で先ほどの能面のようなお顔に血色が戻りとても表情が明るくなられました。お姉様も「さっきと全然姿勢が伸びて違うよ。」とおっしゃっておられました。
最後にお姉様の番です。少し前に足が急に立たなくなりしばらく入院されたとの事。病院で検査するも原因わからず、いつの間にか自然に治ったとの事でした。うつ伏せになって背骨骨盤を検査するとやはり背骨が側彎があり、坐骨の左が高い。にも拘わらず左足が短下肢になっている。長尾ヒーリングで瞬間骨盤矯正。左短下肢解消。頭蓋骨も長尾ヒーリングを行う。
突然歩けなくなった原因はわかりませんがおそらく側彎がきつくなってせき髄の促通が悪くなったのでは??と思いましたがお医者様のご自宅でそのような所見を述べるのは遠慮いたしました。
お姉様も「体がとてもラク~♪」と喜んでいただけました。
我々施術家の一番されて困る質問は「私のこの症状は治りますか?」っていう質問です。初めてお電話でお問い合わせされてご自分の症状の状態と、どこに行っても治らないというお話をされます。で、いきなり先生の所で治りますか?です。(汗)
これは2つの意味で困ります。まず第一はわれわれ民間治療家は法律上、治療してはいけません。「治ります」は禁句です。しかし治さない=痛いままでお返ししたのでは商売になりませんので必死になって痛みを何とかする努力はします(笑)。
第二に困るのは整体師は体の大工みたいなもので曲がったものやずれたものを力学的に理想的な状態に戻してあげることによって結果的に痛みが無くなるという現象は起こります。だからお電話で大まかな症状を説明されても実際にお体を拝見しないと何とも言えません。
たとえば腰が痛いといってもその原因がどこにあるのかは検査しないとわからない。手首のズレを矯正することによって腰の痛みが消えることもあるし、肘の調整で膝の痛みが消えたりします。脊椎のねじれを調整することも必要なら、頭蓋内に滞留した脳せき髄液を下方に流す必要がある方もおられます。
ただし、痛みが消えた=治ったのではありません。同じような日常生活のくせを治さない限りまたぶり返します。
だから整体師のゴッドハンドによって治すというのは基本的にありえません。ご自身の努力がとても大事です。
しかし、「治りますか?」電話でお尋ねになるお客様のお気持ちは理解できます。おそらくもう嫌と言うほど医療機関や整骨院・鍼灸・整体などを転々とされても変化がない・・・「また、だめだった・・・」もうあんながっかりする気持ちは味わいたくないお気持ちはとても理解できます。
私は果たしてそのような方にお役に立てる人間であるのかどうか、毎回お電話で自問自答悶絶しております。
本日朝一番で来られた方。大正生まれの御年90歳。趣味はグラウンドゴルフです。
年末にひどいギックリ腰をして動けなくなり救急車で病院に。その後ずっと腰の左側が痛くてたまらない。
あまりに「イタイイタイ」と聞くのがせんなくなった奥さんが強引に連れて来られました。
一番の原因は左腕のねじれで筋膜が緊縮して腰仙関節のアライメントにゆがみが生じていました。
四肢のねじれの処理をして腰仙関節の調整をしたところあっさりと痛みが消えてどう動かしても痛くない状態になりました。
時々たまげるのですが、高齢者の中にはとんでもない治癒力をお持ちの方がおられます。
施術後お話を聞いて納得。この方は農業の傍ら長年漁師で山を駆け巡っておられたとの事。
仕留めたイノシシは数知れず。熊は2頭仕留めたそうです!ウサギも数えきれないほど・・・
「あんたが殺生しすぎるけえ、生き物が食いついたんよ。」と奥さんに言われ、ほほえましい夫婦喧嘩をしておられました(゚∀゚)